KiCadにRSコンポーネンツのPCB Part Libraryを活用してみる

2020/04/22

KiCad

アイキャッチ

フットプリントは単純な形状なので作る事自体は大変ではないですが、もし寸法を間違えそれに気づかず基板を作ったら基板が無駄になるだけではなく、基板製造に必要な物も無駄になってしまいます。

そうならないように実寸で印刷してスケールを当てて寸法を測る...面倒ですが新しいライブラリを作った時は無駄な出費を抑えるために私は毎回やってます。

なら、自分で作るのではなく公開された情報を利用すればフットプリントを作ったりチェックする手間を省けます。

そんな情報を取得しデータを登録する手順を書きたいと思います。

ライブラリ取得用ソフトのインストール

まずは下記URLへ

便利ツール集にマウスカーソルを置くとその下にメニューが表示され、そのメニューに「PCB Part Library(PPL)」がありますので、それをクリックします。

次の画面の右に「LIBRARY LOADERをセットアップ」がありますのでクリックしたら「LibraryLoaderSetup2v46.msi.zip」というファイルがダウンロードされます。

ダウンロードしたファイルを解凍し「Library Loader」フォルダにある「LibraryLoaderSetup2v46.msi」を実行します。

次にアカウント登録を行います。

実は実験的にやってしまい、手順を記録できませんでしたが必要項目を入力し登録するのは難しくはありませんので頑張ってください(汗

登録したメールアドレスに届いたメールに記載してあるURLを開くと本登録が完了となります。

また、後でデータをダウンロードする(KiCadが参照する)フォルダを変更する事が可能です。

手順としてはタスクトレイにある「Library Loader Vx.xx」アイコンをダブルクリックして設定画面を開いてください。

「Downloads Folder」が対象のフォルダになりますが、ここでフォルダパスを設定するだけでなく「Settings」ボタンをクリックすると(ここでもフォルダ変更は可能です)設定内容が表示されますので間違いなければ「OK」ボタンを押してください。

このタイミングで設定されたフォルダに必要なファイルが保存されます。

タスクトレイにある「Library Loader Vx.xx」を右クリックし表示される「Auto Start」にチェックがあるとスタートアップに登録されOS起動に起動します。

と、ここまで書いておきながらこんな事を言うのも何ですが...私はこのソフトは使用しておりません。

理由はちょっと古い情報になりますが、そこには必要なファイルがダウンロードされ云々と書かれているのですが、私がやってみるとzipファイルがダウンロードされ、その中から自分に必要なファイルをピックアップする手法しかできなかったからです。

まあ、このソフトがなくても登録さえ完了していればライブラリの取得は可能であり、ブラウザでチャチャッとデータを貰った方が私的には簡単でした。

という事で、登録が終わったらこのソフトはアンインストールしてしまいましたw

以下は、zipファイルをダウンロードして登録、自分の欲しいパーツのデータが無い時のリクエストの方法を紹介します。

データを取得する

からデータを検索します。

製品がヒットすると以下の画面が表示されますので該当する「ECAD Model↓」列にある絵をクリックしてください。

データを選択すると以下のダウンロード画面が出ます。

ここでシンボルやフットプリント、3Dデータが確認できます。

問題なければ「FREE DOWNLOAD」ボタンを押してデータをダウンロードします。 これでKiCadのライブラリやフットプリントに登録する準備ができました。

データがない場合

ここには必ずしも全てのデータがある訳ではありません。

私も幾つかのデータがなく困った事がありました。

こんな時は

1. メーカのホームページからフットプリントや3Dデータを貰う。(シンボルは自作)

2. ない部品のリクエストを出して作ってもらう。

自分でフットプリントを作るのは大変ではないですが3Dデータとなるとハードルは高いので、メーカに依頼するかRSコンポーネンツのサイトからリクエストして作ってもらいます。

尚、3Dデータを配布するサービスを行っているメーカもありますので、まずはメーカの情報を見てください。

それでもデータがゲットできなければ最後の手段?です。

該当する部品がなければ「ECAD Model↓」の項目が「Buile or Request」となりますので該当する部品の「Buile or Request」をクリックします。

次の画面です。

まずは「Packege Category」の「Pick One」をクリックし製品の種類を選択します。

製品のカテゴリが決まったら、「Pin Count」へピン数を入力し「Email Address」へ自分のメールアドレスを入力し「SUBMIT REQUEST」ボタンを押してください。

シンボルが完成するとメールでお知らせが来ますので再度部品を検索しデータをダウンロードしてください。

シンボルを登録する

ダウンロードしたzipファイルは事前に解凍してください。

まずはKiCadを起動させます。

次にシンボルエディタを起動させます。

下の図にある赤く囲われているボタンです。

シンボルエディタが起動したら「ファイル」-「シンボルをインポート」を選択すると、シンボルライブラリを選択するウィンドウが出ますので自分のライブラリを選択してOKボタンを押します。

そうするとインポートするファイルを選択するウインドウが出ますので「解凍したファイル」-(解凍のやり方によっては同じ名称のフォルダ)-「KiCad」フォルダに拡張子が「lib」のファイルがあるので選択し「開く」ボタンを押します。(ファイルをダブルクリックでも可)

そうすると自分のライブラリにインポートしたデータが追加されます。

ここでライブラリ一覧から追加されたシンボルを「右クリック」-「保存」またはメニューにある「全ての変更を保存」ボタンを押せば完了です。

ライブラリの形が気に入らなければ前々回に紹介した「KiCadのライブラリを編集する」を参考にカスタマイズしてもいいです。

これで回路図は作成できますが基板を作るにはシンボルに紐付けられたフットプリントが必要です。

フットプリントを置いてシンボルに紐付けする

KiCadのメインウィンドウから「設定」-「フットプリントライブラリを管理」を選択します。

グローバルライブラリのタブから使うライブラリを選択するのは以前解説しましたが、ここで新しい自分用のライブラリを作ります。

ライブラリ一覧表示の下に「+」ボタンがありますのでクリックします。

新しい項目が追加されますのでニックネームとライブラリのパス、説明を入力します。

パスをどうするかなのですが、私は回路図ライブラリのあるフォルダ直下にしています。

デフォルトのフットプリントフォルダは「名称.pretty」となっていますので、とりあえず同じルールで作れば 大丈夫でしょう。

もう1つ3Dデータも管理する必要があります。

同じフォルダに入れておくと煩わしいので私は名称「3D」のフォルダを作りました。

フォルダができたら、先ほど解凍しインポートしたライブラリのあるフォルダに拡張子が「kicad_mod」のファイルがあります。

これがフットプリントデータなので、先ほど作った「名称.pretty」フォルダにコピーしましょう。

また、解凍したファイルに3Dという名称のフォルダがあり、中に拡張子が「stp」のファイルがありますので作成した3Dフォルダへコピーしてください。

場合によっては3Dデータがないかもしれませんが、その時はメーカのホームページで探せばあるかもしれません。

フットプリントのデータはインポートする必要はありません。

設定されたフォルダに置けば大丈夫です。

ファイルを置いたら再度フットプリントエディタを開いてください。

そしてライブラリリストにある先ほど新しくインポートしたシンボルを開きます。

赤く囲ってあるボタンを押しシンボルのプロパティを編集します。

プロパティにはフットプリントを指定する項目があるのでマウスカーソルを合わせ一度クリックします。

そうすると項目欄の右側に本のようなアイコンが表示されますのでクリックします。

クリックすると「フットプリントライブラリーブラウザー」が開きます。

ウィンドウにはライブラリ一覧があり自分で作ったライブラリもありますので、ライブラリをクリックすると「名称.pretty」フォルダに置いたファイルの一覧が表示されます。

複数のフットプリントが置いてある場合は事前にファイル名を確認しておいてください。

そして該当するフットプリントをダブルクリックすればシンボルとフットプリントの紐付けは完了です。

フットプリントと3Dデータの紐付け

上記のフットプリントとシンボルを紐付けすれば基板の設計は行えますが、フットプリントと3Dデータの紐付けを行えば画面上で完成イメージが見られます。

プロジェクトトップ画面から下図で赤く囲われているボタンからフットプリントエディタを開きます。

フットプリントエディタを開いたら左側にあるライブラリ一覧から該当するフットプリントをダブルクリックします。

次に下図の赤く囲われているボタン「フットプリントのプロパティ」をクリックしプロパティのウィンドウを開きます。

ウィンドウが開いたら「3D設定」タブを開きます。

既に「3Dモデル」の項目に既存の情報が入っている場合はその下にあるフォルダーの絵のボタンを押します。

すると3Dモデルを選択する画面が出ますので、先ほど3Dデータを置いたフォルダを選択すると置いたファイルの情報がツリーとして表示されます。

該当する3Dファイルを選択し「OK」ボタンを押せばフットプリントと3Dデータの紐付けが完了です。

下図のように2つ表示された場合はパスのないほうを削除してください。

これで完了ですが、メーカから貰った3Dデータの場合プレビューを見ると基板と部品の位置が現物と違っている場合もあります。

この場合は「スケール」「回転」「オフセット」を変え基板に実装された時と同じになるよう調整してください。

最後に「OK」ボタンを押すとフットプリントと3Dデータの紐付けが完了です。

自己紹介

自分の写真



新潟県のとある企業で働いてます。
【できる事】
電子回路設計
基板パターン設計
マイコンプログラム
C#(WinForms WPF)を使ったWindowsアプリケーション作成
PLCラダー
自動化装置アドバイザー
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